診療報酬改定で特定看護師が認められた意味

特定看護師は医師が作成した手順書さえあれば看護師が判断して特定の診療を補助できるのが特徴で、日本ではそれほど活発に特定看護師になるための研修を受講している傾向はありません。しかし、診療報酬改定によって特定看護師が総合病院の体制に関する項目の中で言及されるようになりました。

今まで特定看護師について触れられていなかった状況から、記述が見られるようになったのには深い意味があります。この診療報酬改定の影響で看護師のあり方が大きく変化していき、特定看護師になることを強く推奨するようになる可能性があるのです。キャリア支援制度を整えて研修を受けるのを支援する病院が増えていくとも考えられるほどの大きな変更になっています。

日本では看護師は原則として医師の指示がなければ診療を行うことはできず、判断は医師がする仕組みになっています。しかし、欧米では看護師が自分で判断して特定の診療を行える仕組みがあり、それを参考にして導入されたのが特定看護師でした。

現場での受け入れがあまり積極的ではなかったために担い手が少ないですが、診療報酬改定によって特定看護師の設置による医療の実施を国が推奨した形になりました。欧米のように看護師に求められる役割が大きくなったことを示しています。この診療報酬改定によって、総合病院を中心として特定看護師をいかにして確保し、現場での医療体制を整えていくかが課題の一つとして捉えられるようになったのです。